企業 リストが与えた大きな影響

たまたまポストイットを持っていなくて、別の紙に書いた場合は、その部分を切ってそのまま貼る。 さらに資料をコピーして貼りつける場合もある。
別のところにコピーが一枚あって、このノートにも同じものがあるという一一カ所保管になるが、それぞれの流れの中で他をいちいち営業ツールとして果たす役割は参照しなくていい。 紛失時の保険という意味で、危機管理上の対応もできる。
ただし、これはあくまでイレギュラーだ。 ノートについては、今回、実践編に登場するほとんどのトップ営業マンが活用している。
東京ガス・エンジニアリングのN靖夫さんは、あらゆるメモをノートに集中させる。 かかってきた電話内容、会議の席順、客先でのメモなどすべてをノートに書いている。
JTBモチベーションズのOさんは、気のついたことはノートに時系列で、キーワードで書いていき、省力化をはかっている。 営業マンとして抜きん出た業績を残すためには、ノート活用は必須といえるだろう。
なおノートはA4でなくてB5のほうが持ちやすいという声もある。 新聞や雑誌記者はもっと小さいノートを使っているが、持ちやすく、てのひらの上でも書ける利点がある。

ただ、最近はオフィスでB5、B4を排除してA4ですべて統一しようという「A4革命」がはやっており、私はそれに対応している。 お客さまとの対応で、その仕事が大きくなり資料も増える場合には、顧客別のファイルかルーズリーフの使用をおすすめする。
ファイルはあらかじめ特定の人専用である。 会社に帰ってきたら、それを抜き取って顧客別に保管しておく。
次回そのお客さまのところへ行くときは、ファイルをチェックし、過去を頭に入れてノートだけ持っていく場合と、そのファイルを持って行く場合がある。 話が込み入ってくれば、客先で過去の経緯がわかったほうが効率的である。
自分専用のノートがあることがわかると、相手の信頼感が高まると同時に、この案件に対する真剣さが高まる。 私が法人営業をしていたとき、まず行ったのは、顧客別のファイル作成とすべての関連メモの挿入だ。
八年の問に何回も先方の担当者は代わったが、過去の経緯を説明する際に、このメモが威力を発揮した。 また顧客企業の決裁ルートがわかった際にそれを記入しておくと、こちらの別の担当者も話が進めやすくなる。
トップ営業マンも住宅や不動産など大口になるほど、顧客対応ファイルを重視している。 実践編に登場する旭化成のS温子さんは、顧客管理カードにすべての情報を書き込み、その顧客のためになるサービスを先回りして考えている。
丹青社のMさんは、案件別ビバレッジのFさんは、クライアント別のノートにすべての情報を書くとともに、それを他者と共有し、社内で情報一元化をはかっている。 ブランドものの名刺入れから、うやうやしく名刺を取り出す営業マンがいる。

逆に、「もう換えたほうがいいのでは」といいたくなるほど擦り切れた革の名刺入れを使っている営業マンもいる。 ブランドものをファッションとして見せたいのであれば別であるが、機能性に限っていえば、手帳の表紙の裏側のビニールカバーの中に名刺を入れておけばいい。
最大、年間一○○○人と名刺交換を続けているといわせてもらえば、名刺は入れ物でなく、出し方、受け取り方で印象が決まる。
ある営業マンは、相手の名刺を受け取るとき、自分の名刺入れを台にして、その上に乗せる形で、両手で受け取る。 実は、それを見てから私も、手帳を下にしてその上で受け取るときもある。
大事なのは名刺入れの有無ではない。 あくまでも、出し方、受け取り方である。
さらにいえば、薄っぺらな名刺入れを使っている人を見ると、「こんなに薄くては何枚も入ら名刺入れ、住所録、携帯電話、筆記具のボイン卜ないだろうな。 人脈も少ないのでは」と思ってしまう。
実践編に登場する三井不動産のDさんは、常時使う二○○枚の名刺ファイルを手元に置き、そのときの顧客との関係により適時中身を入れ替えながら使っている。 営業マンとして学ぶべきことが多い手法だ。
営業マンは外から各所に連絡をとることが多い。 そのため、住所録についても、オフィスにあるものと別に、常時持っていたいものである。
とはいうものの、一○○○人分の住所録を外から常に使うという人はいないだろう。 外から緊急に連絡をとるケースでも、多くてもいい。
これは手帳によくついている住所録をそのまま使ってもOKだ。 の手帳には、最後に小さいコピーで八○○人分の住所録が二種類ついていた。
話を聞くと、数カ月に一度パソコンで整理し、そのコピーを貼るという。 二種類あるのは、仕事とプライベートだそうだ。
このやり方なら携帯も楽で、モバイルとパソコンを連動させ住所録を共有するのと同じ効用がある。

アオキインターナショナルのMさんは、自分独自の顧客リストを作成し、顧客特性を細かく書き込み、電話し、ハガキで来社をすすめるアプローチをしている。 出先からの連絡が主になる営業マンなら、携帯電話の住所録やPDA、ノートパソコンでのアドレス管理が必要になる(デスクからの連絡が圧倒的な場合はあえてその必要はない)。
携帯電話での管理の場合、登録件数を確認し、それで十分とわかったら、グループ分け、短縮ダイャルヘの登録を行っておくことが大事だ。 中でも、短縮ダイャルヘの登録は限りがあるので、頻度から決定する。
営業マンの場合、現在のクライアントとの案件が終了した段階で登録の変更を行うといいだろう。
もうひとつのポイントはデータのバックアップだ。 携帯電話だけでなく、パソコンにもアドレスを保管するなどのダブル保管をしておく。
友人ならいいが、営業先に「データをなくしたので、もう一度教えてください」は通用しないことを肝に銘じておこう。 住友生命のS享子さんは、携帯電話に顧客リストを登録し、出先から電話し、顧客全体の管理に使っている。
非常に効率的な方法といえるだろう。 先に述べたように、メモに使うものはシャープペンシルに限る。
そのメリットは書き換えられることにある。 私が現在携帯している筆記具はシャープペンシルとボールペン一本ずつである。

一○○円のゼブラ・ノックペンシル0.5というシャープペンシルと、同じく一○○円のボールペンがそれだ。 自分のメモの原則はすべてシャープペンシルで、ボールペンは提出資料や相手にペンを貸して何か書いてもらう際などに使っている。
営業マンの場合、このように誰かにペンを貸すケースが多い。 このとき、顧客によってはペンをまじまじと見る人もいる。
相手の信頼度がそこから垣間見られるからだ。 つまり、筆記具が営業シールとしての位置づけになるわけだ。
クロスのボールペンは確かにいいかもしれない。 しかし、ブランドものでも、傷み、汚れていたら台無しである。
だからこそ、筆記具での中途半端はマイナスとなる。 それなら、一○○円のボールペンで、資質を見られないで済むもののほうがいいといえるだろう。
ちなみに、シャープペンシルのほうは、消しゴムがなくなったら替え消しゴムを使うことにしている。 これと替え芯があればシャープペンシルは、ほぼ永久的に使えることになる。
消費には悪影響だが、環境にはプラスといえる。 今日から役立つ左側のスケジュール欄に書くのは、その日にやることである。


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